04住宅医による性能向上リフォーム

住宅医による性能向上リフォーム

住宅医による性能向上リフォームは、耐震性能だけでなく、省エネ性能、バリアフリー等の総合的な性能の向上を目的としたものです。
事例としては、若者世代が新築を建てるのではなく、先祖代々の家をリフォームしながら親世代と同居をしたり、
移住者が古民家を購入し、耐震性能と断熱性能に優れた終の住まいにつくりかえるといった事例があります。

概ねの工事費は、住宅の規模に応じて1000万円~3000万円程度です。
耐震診断の補助(60~120万円)よりも、国土交通省の長期優良住宅化リフォーム事業(100~200万円)の補助を頂くようにしています。

設計監理料については、当初に詳細調査を行うため調査料30万円(税別)、 別途、地盤調査試験費(SWS試験 約3万円)がかかります。
設計料は100万円(税別)、監理料は工事費の3.5%(税別)となります。
支払いは、契約時に10万円(税別)、詳細調査完了時に20万円(税別)、設計完了時に100万円(税別)、工事完了時に監理料の全額となります。

それでは、性能向上リフォームの流れをご説明します。

①健康診断(無料)

「いきなりリフォームは行いません」
リフォームとは、医療でいれば外科手術のようなもの。
風邪気味で病院にいって、「はい、ではすぐ手術しましょう」なんて、よほどのことがない限りありません。

まずは、健康診断(CASBEE健康チェックリスト)を受けてもらい、問題がある場合には、対処療法(暮らし方のアドバイス)をしていただきます。
対処療法をしばらくして頂き改善をしない場合には、根本治療を行うため、手術(リフォーム)を前提ににむけて精密検査(性能向上インスペクション)を行います。

健康診断は、CASBEE健康チェックリストにより行います。ホームページに入り、50項目の質問に答えると、
住宅が健康に影響を与える要素を見つけることができます。

 

②暮らし方のアドバイス(無料)

健康チェックリストの結果をプリズムまでお持ちいただき、暮らし方のアドバイスを受けて頂きます。
例えば、


断熱性能や気密性能が低い家が冬場温まりにくい理由を説明します。
エアコンをつけると、暖かい空気が上にあがりますが、気密性能が低いために、天井の隙間等から暖かな空気が逃げていってしまいます。
すると、気密性が低いためサッシの隙間等から冷たい外気が室内に入ってきます。
また、カーテンに、カーテンボックスがついていない場合には、暖かな空気が窓際で冷やされ足元に寒い空気が流れてきます。(コールドドラフト)
こうした場合は、暖房器具をパネルヒーターに交換したり、カーテンの上に気流止め(段ボールでもいい)を設けると、暖かく過ごせるようになります。


この内容については、最近、TVでも多く放送されるようになりました。
タイル等のお風呂に入られる場合は、特に気をつけてください。


断熱性能をアップする一番の方法は「窓」。夜、雨戸を閉めて寝るだけでも朝の寒さが全く違います。
それでも寒い場合には、窓にプチプチを何重かにして貼ってみると、少し暖かく過ごせます。


冬の昼間は出来るだけ太陽の光を室内に取り込んでみてください。蓄熱性の高い木材などの床に太陽の光が
たくさん当たると、夜も少し暖かに暮らすことができます。

夏は反対に、室内に出来るだけ太陽が入らないようにしてください。太陽の光は物体に当たると、熱が発生します。
室内で熱を発生させてしまうと、その熱を室外に出すのは結構大変。基本的に、室外で熱を発生さえるように、
植栽やすだれをするようにしましょう。
また、上からの太陽光だけでなく、照り返しも同じこと。照り返しの熱が室内に入らないように、外部のコンクリート等を
窓からみえないようにすだれで覆ったり、コンクリート自体を緑化する等も方法の一つです。

こうした暮らしのアドバイスを試して頂き、改善がなければ、リフォームに向けて調査を行います。
これ以降は、設計監理契約を締結した後に実施をします。

③性能向上インスペクション(調査)


(国土交通省資料を改編)

「インスペクション」とは一般には聞きなれない言葉ですが、不動産の世界では常識になっています。
「インスペクション」とは、有資格者による住宅性能の診断を意味し、第1次、第2次、第3次の三段階があります。

  • 第1次インスペクションは、既存住宅状況調査といい、既存住宅状況調査技術者が実施をします。
    住宅の売買前に、特に劣化状況について診断を行います。
  • 第2次インスペクションは、耐震診断と同義です。国もしくは県の耐震診断技術者が実施をします。
  • 第3次インスペクションは、住宅の全ての性能について調査をするものです。
    日本で唯一、一般社団法人住宅医協会が技術者養成を行っており、資格者を「住宅医」と呼びます。

プリズムは、第1次、第2次、第3次のインスペクションを行う資格を全て有しており、高度な診断業務を実施することが可能です。
調査メンバーは住宅医資格者5名以上で行います。住宅医の他に、住宅医スクール受講修了者や地元の大工さん、電気屋さん、瓦屋さん等も参加をします。
住宅医やスクール受講修了者は県内でまだまだ数が少ないので、香川、愛媛、高知の他、大阪からも技術者に来ていただき、調査をしています。

調査の方法は、耐震改修リフォームのページにも掲載している内容に加えて、
断熱性能、省エネルギー、バリアフリー、火災の安全性を調査します。
調査結果は、それぞれの項目について写真と判断基準を整理し、長期優良住宅を100点とした場合に、
何点の性能があるかに整理します。

この他に、調査図面を清書したもの、全ての写真、SWS試験報告書、野帳、土地分析資料等を
報告書にお付けしております。

④打合せ・博士の家づくり講座・セルフプランニング

調査の後は、新築住宅の場合と同じく、打合せを行っていきます。打ち合わせは、平均10回程度、毎回3時間程度になります。
打合せ場所は、基本的にはプリズム建築設計室にて行います。小さなお子様もご一緒に長時間いられるように、和室に遊具を用意してお待ちしています。
妊娠中の方など、長距離の移動が出来ない場合には、プリズムの方から出張をいたします。(別途経費がかかります)
調査結果をもとに、それぞれの性能をどこまで高めるのか、コストと調整をしながら決定をしていきます。

打合せでは、外観デザインや間取り、構造のかけ方を視覚的に理解をしてもらうために、
パースの中を自在に歩くことができるウォークスルーシステムを毎回ご用意しています。

 

④設計図書の作成

何度かの打合せを得て、設計図書を作成します。設計図書は、基本設計と実施設計の2段階で作成をします。

1)基本設計

基本設計は、計画が工事可能かどうか把握するのと、概ねの工事費を把握するために、作成をします。
基本設計では次の図面を作成します。A3で約30枚程度になります。作成に1~2週間かかります。

  • 改修前後配置図
  • 改修前後平面図
  • 改修前後立面図
  • 改修前後矩計図
  • 改修前後屋根伏せ図
  • 改修前後基礎伏せ図
  • 改修前後1階床梁伏せ図
  • 改修前後2階床梁伏せ図
  • 改修前後小屋梁伏せ図
  • 改修後電気工事概略図
  • 改修後空調工事概略図
  • 改修後上下水道工事概略図

これと併せて、設計者側で概ねの工事費を把握するために、工事項目、数量を拾います。
それぞれの工事項目ごとに標準単価を入れ、概算工事費を確認し、予算内に収まっているかどうかをチェックします。
予算オーバーとなる場合には、同程度の内容での設計変更を検討していきます。

2)実施設計

実施設計は、基本設計の承認を受けた後、施工会社が見積もりを行うために作成をします。
図面枚数はA3で約70枚程度になり、作成に1か月~1か月半かかります。

  • 特記仕様書
  • 付近見取図
  • 支障物件図
  • 改修前後配置図
  • 土地求積図
  • 建物求積図
  • ALVS計算書
  • シックハウス計算書
  • 軸組計算書
  • 温熱環境計算書
  • 改修前後仕上げ表
  • 改修前後平面図
  • 改修前後立面図
  • 断面図
  • 改修前後矩計図
  • 改修前後屋根伏せ図
  • 改修前後天井伏せ図
  • 改修前後展開図
  • 建具表
  • 建具詳細図
  • 断面詳細図
  • 部分詳細図
  • 住宅設備工事図
  • 改修前後基礎伏せ図
  • 基礎断面図
  • 改修前後1階床梁伏せ図
  • 改修前後2階床梁伏せ図
  • 改修前後小屋梁伏せ図
  • 垂木伏せ図
  • 軸組伏せ図
  • 電気工事・空調工事特記仕様書
  • 幹線工事図
  • 弱電工事図
  • 照明工事図
  • 照明器具表
  • コンセント・スイッチ工事図
  • 上下水道工事特記仕様書
  • 屋外管工事図
  • 屋内管工事図

⑤施工者の選定

施工者の選定方法は、A)競争入札、B)特命の2種類があります。

A)競争入札については、詳しくは、『「みんなの家」って どんな家?』「9.施工者の選定方法はさまざまにあることを知ってもらう」を御覧ください。
一般的に、設計事務所に依頼をする一番のメリットは、競争入札を行い、同じ図面の建物を最も安価につくることができる施工会社をみつけられることです。
ただ、この場合、実施設計が完了し、施工者の選定段階になるまで、正確な工事費がはっきりとしないことになります。
(概算工事費は基本設計の段階で抑えてはいますが)

はじめから、工務店を決めておき、予算にあわせて図面を作成するのが、B)特命という方法です。こちらは、競争入札よりも少し割高になる傾向はありますが、
予算が足りるかというドキドキはありません。また、プリズムの方でネゴシエーションを行い、できる限り入札をした場合に近づくまで交渉を行っていきます。

過去10年間の競争入札参加業者さんは、次の通りです。
徳島市:姫野組住宅センター美土利建設工業、高建設、青木建設北島建設山一興業
鳴門市:鳴鉄工務店
阿南市:紅露建設、四国建設工業
松茂町:東四国ダイケンホーム
上板町:坂東土建、坂東工務店
阿波市:大工工事マスダ
東みよし町:筆本工務店

施工者の選定と同時に、確認申請や各種補助金の申請を行っていきます。

 

⑥工事監理・定例会

工事監理とは、工事が図面通りに行われているか、第三者の立場からチェックをするものです。
工事監理は、公益財団法人建築技術教育普及センター発行「実務者のための工事監理ガイドラインの手引き」に基づき行います。

定例会:1か月に一度、施主さんを交えて現場にて行います。
定期報告:週に一度、現場等で工事を監理した結果を、文章と写真にまとめ、メールにて送付いたします。
質問等:工事に関する疑問等がありましたら、適宜回答をしています。
設計変更:工事中にどうしても変更をしたい箇所がでた場合に、図面を作成し、工務店からの見積もりをとり、合意の上で変更を行います。

耐震改修リフォームは、一部屋事に行いますが、性能向上リフォームの場合には全面的なリフォームになる場合が多く、
仮屋暮らしをしていただくことになります。

⑦竣工検査・取扱説明

工事の完成後に、まず工務店内で社内検査を行います。
社内検査合格後に、プリズムが仮竣工検査を行います。
ここでの指摘事項の手直しが終わった段階で、施主さんにもご参加いただき、竣工検査を実施します。
ここで合格となった場合に、引渡しを許可します。
引渡しに前後して、鍵、サッシ、キッチン、お風呂、給湯、換気、日射取得などの取扱い説明を行います。

 

⑧定期検査

竣工後、毎年、定期検査を行っていきます。ここで、当初設計通りに光熱費や部屋11の温度が維持できているか環境家計簿等によりチェックし、
異なる場合にはアドバイスを行っていきます。
詳しくは、『「みんなの家」って どんな家?』「10.建てた家を一年に一回、住宅医と一緒に定期検査+環境家計簿もつけてもらいます」を参照してください。

 

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