02新築住宅

「みんなの家」のつくり方(新築編)

ここでは、新築住宅を建てる場合の設計監理の流れと、標準的な住宅の場合の設計監理料について説明をしていきます。

 

はじめにしていただくこと

まず、このホームページやブログをよく読んで頂き、「なんとなく良さそう」と思われたら連絡を下さい。(こうした直感は当たります。)
一度、プリズムにおいでを頂き、プリズムの建築に対する考え方や作品をご説明させていただきます。
標準的な住宅の場合には、ここで設計監理料についてもご説明をさせて頂きます。
それ以外の住宅や店舗等の場合には、1週間ほど見積期間を頂き、後日設計監理料についてご説明をさせて頂きます。
すでに土地をお持ちの場合には住所を事前にお教えください。検討中の場合には、概ねの候補地をお教えいただければご相談にのらせて頂きます。

  • 電話の場合:088-694-2497(年末年始を除く9時~17時。土日は留守の場合もありますのでご了承下さい)
  • メールの場合:tada@prism-tokushima.com

 

標準的な住宅の設計監理料について

標準的な住宅とは、専用住宅、木造、在来軸組工法、2階建て、地下室なし、25坪から40坪までの住宅を指します。
標準で長期優良住宅または認定低炭素住宅のいずれかを申請いたします。(申請しない場合にも費用は同じです。)
店舗併用住宅や住宅以外の用途の建物、住宅であっても鉄骨造、木造のうち伝統工法、スキップフロアー等の場合には、
構造計算等が必要なため見積りを作成させていただきます。

標準的な住宅の設計監理料は、次のように定めております。
設計料 100万円(税別)
監理料 請負工事額の3.5%(税別)
支払い条件
契約時:10万円(税別)、基本設計完了:40万円(税別)、実施設計完了:50万円(税別)
監理中間:監理料の50%(税別)、監理完了:残金(税別)

この中には、次の費用は含まれていませんので、必要に応じて費用を頂くことになります。

  • 確認申請、中間検査、完了検査の証紙代(約4.5万円)
  • 長期優良住宅または認定低炭素住宅の技術審査料(約5万円)、証紙代(約3万円)
  • ZEH、ゼロエネ住宅、LCCM住宅の申請は別途見積
  • 地盤調査試験費(SWS試験 約3万円)
  • コンクリート強度試験費(約5万円)
  • ホルムアルデヒド濃度測定費
  • 気密測定費
  • 許容応力度計算等の構造計算
  • 開発行為及び農地転用等

 

つぎにしていただくこと

初回の打ち合わせから2週間以内に、プリズムに設計監理を委託されるかどうかを、電話にてご連絡を下さい。
委託を頂ける場合には、次回の打ち合わせ日を相談させて頂きます。次回打ち合わせでは、設計監理の流れと費用を説明いたします。(重要事項説明)
委託内容と費用について同意を頂ければ、その後、契約の手続きをすすめさせていただきます。
委託を頂けない場合にあっても、初回説明の費用等はかかりませんので、ご安心を下さい。

契約は日本建築士会連合会発行「小規模建築物向け設計・監理等業務委託契約書」に基づき行います。

 

①現地調査

現地調査は、A)現地踏査、B)文献調査、C)関係機関調査、D)地盤調査の3種類からなります。

A)現地調査
現地調査は、次の項目について実施し、建築的な目線だけでなく、そこに暮らす生活者の視点をもって調査をすることを心掛けています。

  • 敷地測量(道路からの高さ測量も含む)
  • 隣地との境界(塀等)の確認
  • 隣接建物の位置、高さ、窓の位置等の確認(日の入り方やプライバシーの確保を検討)
  • 旧家の盛土高さ(水害の恐れのある地域の場合は特に重要)
  • 電柱の傾きや既存住宅の基礎の割れ等(盛土が緩くないかの確認)
  • 水道、下水道、道路側溝、ガス管等の現状
  • 電柱、電線の現状(電線をどこから引くか)
  • 前面道路幅員、主要幹線までの経路(工事車両が入れるか)
  • 工事車両の駐車場候補地の検討
  • 近所の子どもたちの遊び場
  • 朝夕方の車の往来状況
  • 平日と休日の雰囲気の違い
  • 夏至、冬至の日の出、日の入りの位置


B)文献調査

  • 航空写真の変遷(現在、約20年前、約40年前、約60年前)、明治時代の地図


※代々、人が住んできた土地かどうかは、土地の安全性や水害対策等を考える上で重要な情報を
得ることができます。

  • 治水地形分類図(現在はみえない旧河川などがみえる)


※国土地理院の治水地形分類図は設計前に必ず参考にしています。現在は、埋め立てられてみえない
旧河川の位置が明確に把握できます。旧河川の上にあると、どうしても土地が緩いだけでなく、
地下水等があり土地自体が冷えやすい傾向にあります。昔から人の住んできた土地ではありません。
最近の分譲地は、調べてみると、旧河川だったという事例が多いので要注意を。

  • 都市圏活断層図(活断層からの距離の確認)
  • 表層地盤増幅率


※地震は地下深くで発生しますが、地面の表面の堅さによって、揺れの大きさが変わります。
表層地盤増幅率をみると、三好等山間部は固く(青色)、吉野川を徳島市に下るほどやわらかい(赤色)
土地であることが分かります。

  • 南海地震他想定震度、液状化危険度


※南海地震と中央構造線の地震について、徳島県は独自の震度想定液状化危険度を発表して
います。

  • 中小河川氾濫想定
  • 土砂災害警戒区域等

 

C)関係機関調査

住宅の新築に関わる、徳島県県土整備部、消防、四国電力、上水道、下水道、用水組合(※)等の関係部局へのヒアリングを行います。
※排水を用水等に流す場合には、用水組合の同意が必要な場合があります。

 

D)地盤調査

2000年の建築基準法改正にて、建築物の基礎の構造は、地盤の状況を考慮して選択すると定められており、
一部例外を除いて、地盤調査は義務化されております。
木造住宅では一般に、表面波探査もしくはSWS試験を行いますが、プリズムではできる限りSWS試験を行うように
推奨をしています。これは、SWS試験は表面波探査と異なり、実際に地面の中に試験体を貫入するため、実態に近い
数値が得られるためです。どうしても、表面波探査は数値がよく出る傾向にあり、工学的な安全性が下がります。
また、実際に試験の様子を見学してもらい、ご自身の土地の強度を目で見て体感していただくようにしております。


(施主さんにSWS試験を見学頂きます)

 

②テーマみっけワークショップ

夫婦と言えども、家づくりへの思いは異なる場合がほとんどではないでしょうか。
『「みんなの家」って どんな家?』「6.子どもへの教育観・夫婦愛・老後の生き方等の思想を、建築空間として表現してもらう」
でみたように、それぞれの家族の家づくりのテーマをみつけるためのワークショップを行います。

③打合せ・博士の家づくり講座・セルフプランニング

打合せは、平均10回程度、毎回3時間程度になります。
打合せ場所は、基本的にはプリズム建築設計室にて行います。小さなお子様もご一緒に長時間いられるように、和室に遊具を用意してお待ちしています。
妊娠中の方など、長距離の移動が出来ない場合には、プリズムの方から出張をいたします。(別途経費がかかります)

打合せでは、外観デザインや間取り、構造のかけ方を視覚的に理解をしてもらうために、
パースの中を自在に歩くことができるウォークスルーシステムを毎回ご用意しています。

④設計図書の作成

何度かの打合せを得て、設計図書を作成します。設計図書は、基本設計と実施設計の2段階で作成をします。

1)基本設計

基本設計は、計画が工事可能かどうか把握するのと、概ねの工事費を把握するために、作成をします。
基本設計では次の図面を作成します。A3で約20枚程度になります。作成に1~2週間かかります。

  • 配置図
  • 平面図
  • 立面図
  • 断面図
  • 矩計図
  • 屋根伏せ図
  • 基礎伏せ図
  • 基礎断面図
  • 1階床梁伏せ図
  • 2階床梁伏せ図
  • 小屋梁伏せ図
  • 電気工事概略図
  • 空調工事概略図
  • 上下水道工事概略図

これと併せて、設計者側で概ねの工事費を把握するために、工事項目、数量を拾います。
それぞれの工事項目ごとに標準単価を入れ、概算工事費を確認し、予算内に収まっているかどうかをチェックします。
予算オーバーとなる場合には、同程度の内容での設計変更を検討していきます。

2)実施設計

実施設計は、基本設計の承認を受けた後、施工会社が見積もりを行うために作成をします。
図面枚数はA3で約70枚程度になり、作成に1か月~1か月半かかります。

  • 特記仕様書
  • 付近見取図
  • 支障物件図
  • 配置図
  • 土地求積図
  • 建物求積図
  • ALVS計算書
  • シックハウス計算書
  • 軸組計算書
  • 温熱環境計算書
  • 平面図
  • 立面図
  • 断面図
  • 矩計図
  • 屋根伏せ図
  • 天井伏せ図
  • 展開図
  • 建具表
  • 建具詳細図
  • 断面詳細図
  • 部分詳細図
  • 住宅設備工事図
  • 基礎伏せ図
  • 基礎断面図
  • 1階床梁伏せ図
  • 2階床梁伏せ図
  • 小屋梁伏せ図
  • 垂木伏せ図
  • 軸組伏せ図
  • 電気工事・空調工事特記仕様書
  • 幹線工事図
  • 弱電工事図
  • 照明工事図
  • 照明器具表
  • コンセント・スイッチ工事図
  • 上下水道工事特記仕様書
  • 屋外管工事図
  • 屋内管工事図

⑤施工者の選定

施工者の選定方法は、A)競争入札、B)特命の2種類があります。

A)競争入札については、詳しくは、『「みんなの家」って どんな家?』「9.施工者の選定方法はさまざまにあることを知ってもらう」を御覧ください。
一般的に、設計事務所に依頼をする一番のメリットは、競争入札を行い、同じ図面の建物を最も安価につくることができる施工会社をみつけられることです。
ただ、この場合、実施設計が完了し、施工者の選定段階になるまで、正確な工事費がはっきりとしないことになります。
(概算工事費は基本設計の段階で抑えてはいますが)

はじめから、工務店を決めておき、予算にあわせて図面を作成するのが、B)特命という方法です。こちらは、競争入札よりも少し割高になる傾向はありますが、
予算が足りるかというドキドキはありません。また、プリズムの方でネゴシエーションを行い、できる限り入札をした場合に近づくまで交渉を行っていきます。

過去10年間の競争入札参加業者さんは、次の通りです。
徳島市:姫野組住宅センター美土利建設工業、高建設、青木建設北島建設山一興業
鳴門市:鳴鉄工務店
阿南市:紅露建設、四国建設工業
松茂町:東四国ダイケンホーム
上板町:坂東土建、坂東工務店
阿波市:大工工事マスダ
東みよし町:筆本工務店

施工者の選定と同時に、確認申請や各種補助金の申請を行っていきます。

 

⑥工事監理・定例会

工事監理とは、工事が図面通りに行われているか、第三者の立場からチェックをするものです。
工事監理は、公益財団法人建築技術教育普及センター発行「実務者のための工事監理ガイドラインの手引き」に基づき行います。

定例会:1か月に一度、施主さんを交えて現場にて行います。
定期報告:週に一度、現場等で工事を監理した結果を、文章と写真にまとめ、メールにて送付いたします。
質問等:工事に関する疑問等がありましたら、適宜回答をしています。
設計変更:工事中にどうしても変更をしたい箇所がでた場合に、図面を作成し、工務店からの見積もりをとり、合意の上で変更を行います。

 

⑦竣工検査・取扱説明

工事の完成後に、まず工務店内で社内検査を行います。
社内検査合格後に、プリズムが仮竣工検査を行います。
ここでの指摘事項の手直しが終わった段階で、施主さんにもご参加いただき、竣工検査を実施します。
ここで合格となった場合に、引渡しを許可します。
引渡しに前後して、鍵、サッシ、キッチン、お風呂、給湯、換気、日射取得などの取扱い説明を行います。

 

⑧定期検査

竣工後、毎年、定期検査を行っていきます。ここで、当初設計通りに光熱費や部屋の温度が維持できているか環境家計簿等によりチェックし、
異なる場合にはアドバイスを行っていきます。
詳しくは、『「みんなの家」って どんな家?』「10.建てた家を一年に一回、住宅医と一緒に定期検査+環境家計簿もつけてもらいます」を参照してください。

 

 

事務所について知りたい方は、こちら