玄牝

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昨日、「玄牝」(げんぴん)を鑑賞してきました。
お産の神様で有名な吉村医院(愛知県岡崎市)でのお産の様子や妊婦の声、スタッフの思いなどを撮ったドキュメンタリーです。
吉村医院で勤めている助産師さんもわざわざ会場にお越しいただいており、上映会の後にはシェア会も!

つい10日前に妻が第二子を出産したタイミングだったので、一番聞きたかった、出産時のオーガニズムについて質問をさせて頂きました。

映画でも出ましたし、また文献にも良く書かれている出産時のそれ。私は分娩台の出産ではなく、助産院での出産で、薄暗い雰囲気の中であれば、常にそういうことになるのかなと思っていました。そして、そうするために、助産師さんが、今中ぐらいまで来てますよーとか、ゆっくりイキんでねー、とか、助産師さんがリードをしてくれて、妊婦は助産師さんに心を委ねて安心をして出産をするので、そういうことになるのかなーと思っていたんです。

で、実際は全くの逆で、吉村医院でのお産は、助産師も先生も何もしゃべらない。妊婦に任せて、妊婦と赤ちゃんのタイミングでお産が進んでいくのだそう。話しかけてしまうと、活性化しているオキシトシンの分泌が下がってしまうのだそう。

第二子は、徳大病院の中に新しくできた助産システム「ひなた」(助産院のようなもの)で生んで、最高に素晴らしいお産だったのですが、どうして何も助産師さんがリードしてくれないのか、この点だけは疑問に思っていました。その疑問が一気に晴れました。

昨晩、妻とよくよく話をすると、自分でお産のどの段階にいるか分かっていたこと、自分で生んだという達成感があったということ、生んだというより赤ちゃんと一体になっていて自分が生まれようとしていたこと、後5回陣痛が来たら頭が出ると分かってたけどその時だけ助産師さんが声をかけてくれて一瞬冷静になれたこと、赤ちゃんを抱きしめた時の感動などなど、を語ってくれました。

助産師とは、家族の出産にお邪魔をさせてもらっている黒子で、幸せをおすそ分けしてもらえる職業だと、会場にいらしていた助産師さんがおっしゃっていました。

近頃、産婦人科医さんや助産師さんとよくお話をさせて頂きます。誰もが、今の産婦人科の行く末を案じています。産婦人科医2名+小児科医+麻酔科医の万全の体制を揃えることの大変さや、妊婦との信頼関係が十分に築けていない中で、死産や流産等での訴訟に発展することなど、も聞きます。

徳島のお産も限界? 私は、徳島大学の助産システム「ひなた」と、今後、市民と助産師・医師とがネットワークをつくっていくことに期待をしています。今後、「ひなた」で活躍をした助産師さんが、総合病院と連携をして助産院を開設し、通常分娩はそちらでみるような社会になるのではないかと勝手に思います。また、今、徳島(の私の周り)は自然なお産に熱いので、これが現役の助産師さんたちと強くつながっていくだろうと思うのです。この2点に私は期待をしています。

会の主催は、山田子どもクリニックさんでした。ありがとうございました。

 

「玄牝」オフィシャルサイト

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ABOUTこの記事をかいた人

徳島県上板町にて、コミュニティ建築家としてがんばっています。 会社:プリズム建築設計室 資格:一級建築士、博士(工学)、土地区画整理士