この週末は、文化庁主催の、「登録有形文化財建造物修理関係者等講習会」に参加するため、長崎県平戸市へ。
車とフェリーを乗りついで、片道11時間の旅でした。。。
講習会に参加する前に、長崎市にある重要文化財 大野教会堂に連れて行っていただきました。
明治維新後、キリスト教が許され、それまで約200年に渡って信仰を禁止され、迫害を受けていたカトリックの信者たち(隠れキリシタン)が、
カトリックとして洗礼を受け、教えを守り、伝えていくために、各地に教会をつくっていきました。
当時、大野はたった30世帯程度の信者たちのための教会だったとのこと。現在は、もっと少なく、8世帯しか残っていない、小さな小さな教会堂です。
同じように小さなコミュニティの中で設計をしている自分としては、生涯に設計をさせてもらえるチャンスがあるかもしれないと思った建築の規模です。
これが、重要文化財として国の指定を受け、また現在は、世界遺産として候補にあがっている。
文化財となるかどうかは、建築の素というか、なぜこうした建築が必要とされたのか、だからどのようにつくられたのか、という当たり前のことがきちんとしていること。
建築家がどのように評価をするか、施主さんがどのように評価をするか、等と全く違う価値観が建築にはあるのだと、再度考えさせられました。
自分が今、仕事をしている作品が、もしかすると、後の世に文化財になるかもしれない。
一設計者として恥ずかしくないものをつくっていきたいと改めて思いました。