鳴門市新庁舎建設に関してのパブコメ

DOCOMOMOに選ばれた増田友也の市庁舎を壊すかどうかが建築側からは高い関心をもっていますが、私が問題だと思ったのは、

・新庁舎建設について、総合計画、都市計画マスタープランに位置づけがなく、この基本計画自体が市の行政計画の中で公的な位置づけが不明瞭である。公共施設等総合管理計画での検討では本庁舎の計画としては不十分である。遠回りになるが、総合計画と都市マスの見直しを行う等し、市の意思決定の最高レベルでの議論を行うべきである。例えば、立地について、旧衛生センター跡地については、災害時防災拠点としての評価は高いが都市計画マスタープランとの整合性の観点から評価をされていないが、上位計画次第では立地自体も見直す必要がある。

・基本計画案では、災害時の防災拠点として適正であることなどから、新庁舎の立地について現庁舎とする結論が出ているが、当該箇所は南海地震時に3mの津波が想定されており、それに対してかさ上げ等を行い、浸水することを前提に早期復旧に配慮した庁舎とするとしている。ここで、立地周辺海岸には大型船が運航をしており、それらが庁舎に追突をしてくる恐れのあることは先の東日本大震災での被害実態から想定をされるものであり、想定外とはならない。また、製薬会社等の工場群が近接をしており、大規模な火災が起こるなどした場合に、災害時の防災拠点として本当に機能をするのか不明である。

現時点での計画案では、浸水が前提となっている以上、災害発生時に上記のような機能不全に陥った場合や、それによる死傷者が出た場合に、基本計画を策定した委員会及び委員長、また市長の責任が問われるのではないかと考えます。

・2棟体制、1棟体制の検討段階について、かさ上げ等土木工事に係る費用が算出をされておらず、市の負担額の総額を示した建設費が算出されずに比較がなされており、判断材料として不十分であり、再度検討をするべきである。

・同様に、今後40年間のライフサイクルコストを仮定により算出をしているが、将来的にこの上限を上回る結果となった場合に、基本計画を策定した委員会及び委員長、また市長の責任が問われるが、その時には責任をとれるとは思えない。PFI等の方式を真剣に検討をしてはどうか。

・報告書P.49に突如、CM業務を委託し費用対効果の最大化を図るとあるが、CM業務を委託する必要性や、本当にその他の方式と比較をして費用対効果の最大化を図れるかについて報告書の中で全く説明がない。市にとって誇り高い建物として問題なく完成されるように、CM業務受託を前提に、設計事務所等が動いている等と問題にならないように、明確な位置づけを与えておくべきではないでしょうか。

・オフィス環境整備業務の分離についても同様。

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徳島県上板町にて、コミュニティ建築家としてがんばっています。 会社:プリズム建築設計室 資格:一級建築士、博士(工学)、土地区画整理士