この度、上板町の地方創生総合戦略推進会議の推進委員に選ばれ、先日第一回の会合に出席をさせて頂きました。
これは、地方創生の大合唱のなかで、全ての地方自治体に人口ビジョンと総合戦略を策定させるというものです。
前職は都市計画コンサルタントとして、様々な自治体で総合計画等の策定をお手伝いをさせて頂いた経験から言うと、
この計画の一番の特徴は、人口ビジョンや総合戦略に数値目標を求めていることです。
調子の良い計画を立てれば、5年後の実績評価の段階で、達成状況が十分ではなかったという評価を受けてしまいます。
国はそうした自治体に対して交付税を削減をする根拠とするのではないか、という噂も飛び交っています。
そうした点も踏まえながら、会議では次のような意見を述べさせて頂きました。
1.徳島東部地域定住自立圏の中でどのように個性を発揮するか。
上板町は、徳島東部地域定住自立圏のメンバーです。
徳島東部地域定住自立圏は、徳島市を中心市として、小松島市、勝浦町、上勝町、佐那河内村、石井町、神山町、松茂町、
北島町、藍住町、板野町、上板町からなります。
この中で、上勝町、佐那河内村、神山町は、今回の人口ビジョンと総合戦略の策定にあたり、優秀なコンサルが中に入り、
個性的な提案を行ってくると予想されています。
上板町としては、周辺の藍住町、板野町、石井町と嫌が上でも比較をされるので、これら4町を仮想ライバルとして、
より個性的な提案をしていくべきであることを意見しました。
2.子育て世代の転入を後押しする+αを
私自身、子育てをするために東京から徳島に戻ってきたようなものです。
たまたま上板が里だったから戻ってきたのではなく、せっかく田舎にきたのだから、徳島市内に住んでどうするという
強い気持ちがありました。家に庭があって、畑もあり、野菜をつくり、コミュニティもある、そういった環境で子どもを
育てたいと思っていました。
建築設計をしていると、私と同じような思いの方がよく事務所に訪ねてきてくれます。特に、徳島市の沿岸部に
住んでいる方は津波への恐怖感等から、上板辺りの土地を探されている場合が多く、一緒に上板辺りで土地を探す
ところから始めます。
ただ、上板よりも板野の方が人気があります。藍住は坪20万ですが、板野になると坪8万程度で若い方でも
土地を買うことができます。上板はもっと安いのですが、板野は藍住(ユメタウンがある)に近く、駅もあり、ICもあり、
高校もあり、あすたむランドという大きな公園もあり、県の大学校もありと、何もかも揃っています。
それに比べて上板は。。。
私としては、上板への転入を+αで後押しをするものとして、「教育」、「安心安全な食」、「伝統的な仕事」を
売りにしてはどうかと意見を述べました。例えば、
・「教育」・・・ニアリー等のような障がい者を含む幅広い層への芸術教育の拠点
・「安心安全な食」・・・自然食品メーカーとして著名なヒカリ食品
・「伝統的な仕事」・・・buaiso.など藍染への若者の注目、また和三盆糖
などを、街の売りとして、かつ住民がもっと積極的に利用していくような環境整備が必要なのではないかと
意見をしました。藍で有名な町なのに、住民は藍染をしたことがないなんて。古着を染め直すとか、
リユース、リデザインの文化を上板で広めていってはどうかと思います。
3.町外に住む人へのアンケートを行ったほしい
上板町民へのアンケートを行うことが事務局より説明がありましたが、私としては、今現在、町外に住む人へのアンケートも
実施してはと意見をしました。特に30歳代、子持ち世代で、ここ5年でUターンする可能性のある町出身者にむけてネットでも
何でも、統計的な正確さよりも、上板に戻りたいか、戻るなら何が障がいになっているのかなど、生の声を集めて頂き、
その上で、人口ビジョン、総合戦略を立てる上での材料にしたいと意見をしました。