先週の日曜日、伝統的な雰囲気の住宅を望まれているお施主さんたちをお連れして、杢居、TSウッドハウス・モデルハウス、製材所というフルコースを堪能して頂きました。
しかも、コーディネータはTSウッドハウスの和田理事長。
伝統的な構法の住宅がなぜ地震に強いのか、かぜをひきにくくなるのか、といった分かりやすい話に始まり、
木材を表す場合の材の使い方や、林業の側の考え、そして、杉の細胞分裂にまで話が及びました!
もう、お施主さんたちは、今までに聞いたこともない、新しい世界に興味津々で、本当に贅沢なツアーとなりました。
和田語録を整理すると、
・杉には調湿作用があるから、夏の湿気の多い時期は湿度を吸ってくれて、冬場の乾燥した時期には湿度を吐き出してくれる。
・自然素材は真ん中に真ん中に戻そうとする働きがある。
・調湿作用は、杉の細胞一個一個に弁があって、弁を通じて水分が行き来しているから作用がある。ストローのような簡単なものではない。
・人工乾燥は100度近い温度でがっと数日で乾かしてしまうから、弁を壊している。だから、調湿作用が弱くなる。
・ゆっくりゆっくり何か月もかけて、湿度を出したり吸ったりする材をつくるには、天然乾燥が一番良い。
・天然乾燥材は伝統的構法に向いている。伝統的構法は、柱と梁の接合部を傷めないように、わざと弱いところをつくり、そこが壊れることで接合部をまもる。
・木造は接合部が壊れたら、取り返しがつかない。
・接合部を壊さないように、長ほぞを使っている。コミセンは比較的新しい技術で、かっては長ほぞだけだった。
・隙間をつくりたくないという大工の美意識が、コミセン(角)をつくったのではないか。
・コミセン(丸)だと、隙間はつづめ出来ない。
・職人の仕事は初めが大事。大工が手を抜く現場だと、その後の職人たちもみな手を抜く。
長ほぞとコミセン(角)について模型を用いて、説明をして頂きました。
佐々木木材さんの製材所で、天然乾燥をしている様子を、勝手に見学しております。(日曜はお休みのため)
案外、ここが一番感動を頂きました。丸太が製材をする過程で、力が開放されて反りがでてくるといった話などを伺いました。
和田さんに半日も一緒に解説を頂くなんて、ほんとうに贅沢なツアーでした。
和田さん、ありがとうございました。