TSウッドハウス主催の植林ツアーに参加をさせて頂きました。
毎回、木沢の雄大な自然に、癒されにきているようなもんです。
昨年秋の伐採ツアーに引き続き2回目の参加です。
伐採ツアーの様子は、以前のブログを参照下さい。
今回は、民家に近い場所に植林をしたため、杉ではなく、ケヤキとミツマタを植えました。
植樹にあたって、気勢等はあまりないようです。
地面に対して垂直ではなく、水平面を仮定して垂直に立てるように指導がありました。
あと、根元の石を十分に除けておくことと、谷側の土を十分に踏みしめて、せっかく植樹した樹が倒れないようにすること。
案外簡単。
上下で作業をすると、上から医師が落ちてきて危険なので、横一列になって植樹をしていきます。
妻と記念植樹(笑)
植樹は植えた後、育てるのが大変です。
シカが芽を食べてしまったり、せっかく10年位育っても、皮を食べられてしまって樹が枯れてしまうんだそう。
近くの斜面でも、以前に植樹した樹が枯れていました。
シカが入ってこないように、バリケードをしたり、檻をつくったりと、シカとの戦いが山で繰り広げられています。
以前は、植樹する面積が随分と多かったため、シカも色々な場所でエサを食べることができたそう。
でも、今は、植樹する場所が少ないため、一斉にシカが集まってしまうのだそうです。
植樹をするためには、山を皆伐する必要があります。
皆伐は間伐と違って、あまり補助金がでません。今は原木(素材生産といいます)の値段が非常に安いため、
補助金が入ってなんとか採算を保っている状況が大部分。
なので、山の所有者の多くは補助金が出やすい、間伐をしてしまい、皆伐をすることがなかなかなくなってしまいました。
ただ、いつまでも置いておいても、どんどんとコストが膨らんでいくのですが、それに見合った価格で売ることができない。
というのも、大きな樹になればなるほど、原木を太く長い梁等として使ってもらわないと、高く売ることができないのですが、
梁をみせる住宅が少なくなり、、かつ、渡り顎等の伝統構法もあまりしなくなったため、太くて長い材を使う機会が減ってきています。
山は生き物ですから、いつまでも古い木ばかりでなく、60年後の将来のために、新しい木を植樹していく必要があります。
樹は値を貼り、岩石をつかみます。岩石が掴まれていないと、山崩れの原因になります。山崩れが起こると、人命に被害が出るだけでなく、
草が生えなくなります。草が生えないと、水を保つことが出来ない。いずれ、都市部の治水を脅かしていくこととなります。
梁を表したり、伝統構法で家を建てるということは、地震に強い家をつくり、美しいというだけでなく、将来の子どもたちの
生活を守ることにもつながっているんだと、改めて感じたツアーでした。