建築の設計の依頼を受けて一番に、初期調査を行います。
初期調査は、現地踏査の他、役所廻りや文献調査を行います。
今日は、文献調査のうち、土地条件図の調査についてご説明いたします。
土地条件図は、国土地理院が昭和30年頃より実施している地形に関する調査をまとめてくれたもので、
山地・丘陵,台地・段丘,低地,水部,人工地形などについて知ることが出来ます。
例えば、徳島市内の地図。下は現在のものです。
現在の吉野川に流れる支流の位置は水色で示されています。
でも、かっては、吉野川の位置も支流の位置も大きく違うものでした。
濃い緑色が旧河川です。
現在の住宅地の多くの部分が、かっては河川であったことが分かります。
こうした土地では、地震時に液状化現象が起こる可能性があるため、例え、建替えの場合であっても地盤調査を行い、地面の下のどの位の深さに弱い層が、どの位の深さあるかを知った上で、基礎を設計する必要があります。
通常、建替えの場合には、地盤調査を行わなくても瑕疵担保保険に入れる場合が多く、多くのハウスメーカーはこうした確認を忘れています。
というか、ハウスメーカーの営業の多くは、土地条件図の存在を知らない方が多いようです。私は都市計画のコンサルタントをしていた頃に、土地条件図の活用方法について学びました。