コンクリートを打つ、となると建築をやっている人間は、ついつい燃えてしまうものなのです。
今朝は、学童保育施設の土間コンクリート打ちの監理をしていました。
まずは、コンクリートの納品書を確認して、事前に提出のあった配合計画書通りかチェック。
続いてスランプです。コンクリートは柔らかい(=水が多い)ほど、施工性は高まりますが、
強度が弱くなります。ただ、固すぎても、十分に混ざりません。
そこで、適切な固さかどうか、試験を行って確認をします。
コーンにつめたスランプを引き上げて、
流れ具合をみて確認をします。
その後は、空気量のチェックです。
後、塩化物の濃度も確認をします。
最後に、強度試験用のサンプルをとります。1週間後と4週間後に
破壊試験をして、強度がきちんと出ているか確認をします。
こうした試験を経て、設計者が、コンクリートが設計図書で指定した通りである
ことを確認した上で、ようやく打設が始まります。
ミキサー車からクレーンで直接コンクリートを運びます。
端っこからコンクリートを流す方法だと、コンクリートには砕石が入っているので、
砕石がはしっこにとどまってしまい、セメントと水だけが拡がってしまいます。
コンクリートを打つときは、この方法が一番、均質なコンクリートを打つことができます。
均質に広がるようにバイブレータをかけていきます。
バイブレータが全部の箇所にかかっているか、実は設計者がきちんとみています。
打ち終わった箇所から、コテ押えをしていきます。
鉄筋の下の方に白いテープが巻いているのが分かりますか。
このテープの下端に合せてコンクリートを打つように算段ができています。
テープの上端だと分からなくなるので、下端で合わせるのが良い仕事です。
無事に打ち終わりました。約3時間、寒空の中で、職人さんたちもおつかれさまでした。
最後に、型枠を起こします。コンクリートの力ははんぱないので、
2~3ミリ程度ずれる場合があります。ミリ単位での調整が続きます。
コンクリートを打ってようやく、自分が設計した建築の土台が出来たぞ、と感じます。
コンクリート打設に初めだけきて途中で帰ってしまう人もいますが、
僕は打設は最初から最後までいることにしています。
建て方と違って、埋設部が多く、施工中にしか確認できないことが多くあります。
設計者がいることで職人たちも気合が入るし、設計者としても
施主さんに自信を持って良い工事だったとお伝えすることができます。