今日は、新築住宅の牛梁を抑えに、ゲンボクさんに伺っていました。
牛梁は建物の構造上重要な部分なので、12mの一本物で行こうと思っています。
4mと8mで継いだらというご意見も頂くことがありますが、昔からの大工さんに聞くと、ここは無理をしても一本で行くべきというアドバイス。
本当は4月の時点で設計を終えて、山に木があるうちに12mを抑えておく予定でした。
しかし、設計は順調に進まず、先日ようやくお施主さんに図面の承認を頂き、材を抑えることができるようになりました。
でも、今、山は切旬が終わって、材が市場にない状態です。
和田さんに苦心を頂き、立派な材を探して頂きました。
真ん中の◎がついている丸太です。
木は根本ほど太いので、根元(元口)で55cm程度、末口で33cmありました。
末口からみると、こういう感じです。
皮もきれいについています。冬までに切った木は、きちんと皮がついています。
でも、下の写真のように、皮がむけている木もあります。
これはお彼岸の後に、切った木のため、根が水分を上げ始めているので、皮がはがれてしまうのだそうです。
人工乾燥でいくならいいのでしょうが、今回は天然乾燥で揃えるため、これではいけません。
さて、和田さんのところでは12m材は加工が出来ないため、知り合いの材木店にお願いをし、12m材をタイコにして、
かつ、屋根のあるところで乾燥をしてもらうことにしました。
今日、無理やりついてきてもらいました。感謝。
12m材は運ぶだけでも大変です。6tonで特別の許可をもらって、車道を走る必要があります。
それを加工する機械も持っている材木店はこの頃はなかなかありません。
また、天然乾燥でいくため、屋根のあるところでゆっくりと乾かす必要があります。
材を置いておいてもらえる材木店もこの頃は減っています。(宅地扱いのため固定資産税がかかる。。。)
今は、横に材が共にあるため、変な割れはしにくいのですが、お盆をすぎると、ハチハチに割れ始めます。
お盆までに、タイコにすれば、タイコにした部分の乾燥が早まりますので、きれいに割れを入れさせることができます。
みんな、こういう手間やリスクがあるため、長物や天然乾燥材を使いたがりません。
でも、材木店も、設計者も、工務店も、施主さんもみんながリスクをとり、努力してつくるからこそ、良い材料が手に入るし、職人の力の入れ方も変わってきます。
家づくりの最高のドラマを味あわせて頂いております。