この冬は、フレッセ長持ち住宅供給協議会のメンバーとして、つくばLCCM住宅の視察にいってきました。
LCCM住宅とは?
http://www.kenken.go.jp/japanese/contents/lccm/index.html
LCCMとは、Life Cycle Carbon Minus(ライフ サイクル カーボン マイナス)を意味します。
ライフサイクル(建物の一生涯)で、二酸化炭素を減らすことができる住宅という意味です。
建物は、建設時、運用時、廃棄時に二酸化炭素を発生します。
建設時が一番、二酸化炭素の排出量が多いように思いますが、運用時に桁違いの二酸化炭素の排出があります。
というのも、建設は長くとも半年ですが、運用は40年にも及びますし。。。
建設時の二酸化炭素排出量は、木造住宅で40坪程度の場合、約26,800kg-CO2(出典:CASBEE)であるのに対して、
運用時には、一年間に4,700kg-CO2(出典:国交省住宅・建築物に係る二酸化炭素の排出量及び削減量について(案))
の排出があります。つまり、約5年間住宅を運用すると、建設時に排出した二酸化炭素と同量の二酸化炭素が排出されて
しまうということです。
よって、住宅のLCCMを目指す場合に、第一には運用時の二酸化炭素排出量を減らすことを考えないといけません。
きちんと断熱をし、冬場の暖房負荷を抑えるとともに、日射熱を十分に取り入れられるように南面全てをガラスとしています。
南面すべてをガラスとすると、最外周部に耐力壁をつくれないので、半間(910ミリ)ずれた位置に耐力壁を設けています。
給湯などのロスを減らすように室内(断熱材の内側)を配管するなどの工夫が必要となります。
この住宅では、壁は充填断熱、床は床下断熱となっていたため、室内にあえて給湯配管をみせていました。
もちろん、基礎断熱とした場合には、床下は断熱部分となるため、床下に配管を転がすことが可能です。
この住宅では、8kWの太陽光発電を搭載し、一生涯でCO2 収支をマイナスになると計算をされました。
私は住宅の屋根に太陽光発電を載せるのは、将来的なメンテナンス面に課題があることから勧めていませんが、
オフサイト手法(カーボンオフセット等)によるライフサイクルマカーボンマイナス住宅を提案をしてみたいと思っています。